大家様は神様か!
「………ねえ、ユウ。急いでもらえないかしら」
急に、後ろから聞き慣れない女の人の声がした。
反射的に振り向くと、これまた顔の整ってる人がいる。
クールビューティという言葉がよく似合う、眼鏡美人さんだ。
赤い口紅と艶やかなロングヘアーが色っぽい、大人の女性。
「ごめんごめん。ねぇ君、大丈夫?」
またしてもみとれてしまっていると男の方に心配されてしまった。
「だ、大丈夫で――」
す、とつづけようとした瞬間、借金取りの怒鳴り声が頭上から聞こえた。
完全に存在忘れてた。
「何よ、この声。うっさいわねぇ」
「もしかして君、今の人と関係してる?」
「………お恥ずかしながら」