大家様は神様か!

プライド?
はっ、そんなもの生きるためには必要ないよね。


「あの、片岡さんもこう言ってますし……」


借金持ちの女子高生が土下座しているのを不敏に思ったのか、不動産屋さんが助け船を出してくれた。


「………まあ、別に良いけどね」


ボサボサの頭をかきながら、大家さんが、返事を…し、た。

短い沈黙。


「え―――っ?!」

「何、大声出さないで」

「え?!え、良いんですか?!複雑すぎる事情を抱えた半ホームレスの女子高生に、部屋貸してくれるんですか?!しかも敷金なし家賃下げた状態で?!うっひょおーやりぃ!!」


思わず立ち上がり天に向かってガッツポーズ。

喜びのあまりお兄さんとハイタッチを交わす。

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