大家様は神様か!
「大家さんが、作家先生かあ…」
火にかけたお湯が沸くまでの間に、ついさっきの事を思い出す。
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「え、作家?」
「そー。これでもボチボチ食い繋げるくらいには売れてるよ」
契約が決まり、不動産屋さんが帰ったあと、私は大家さんに詳しい話を聞いていた。
どう見ても上下900円くらいのスウェット着たのが、作家?
「ちなみに、ジャンルは…」
「バリバリの純愛モノ」
あぐらをかいた大家さんと、純愛のイメージがどう頑張っても結び付かない。
たまたま手元にあった本を見ると、確かに恋愛系だ。
……本当なのだ。
「で、体で払えっていうのは…」
「ああ、うん、それなんだけどね」
色白の肌に柔らかい微笑みを浮かべて、大家が部屋を見回した。
「まず、お掃除を頼もうかな」