大家様は神様か!

そして、今に至る。


「人は、見かけによらない」


彼自身の話によると、『ユウ』というペンネームで本を出しているらしい。


『自己紹介してなかったっけ。俺、大倉裕。これからよろしくね』

『片岡華火です。えー、よろしくお願いします』


ペンネームというか、本名じゃないか。

心の中で密かにツッコミを入れていると、私の耳にか細い音が入ってきた。

ピー…と、何かが音を立てている。


「うわっ、沸いた!!」


鍋に入った水が、大きな泡を作っていた。

急いで火を消し、水面が落ち着くのを待つ。


「……さて、どうしたものか」


ここからが問題である。

漫画とかでよく見る感じでいくと、多分ポット的なやつに入れる筈だ。

更に、とても高い位置からカップに注がなければならないと聞き及んでいる。

しかーし。

私には右京さんのようなスキルはなく。

そう、八方塞がりだ。

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