大家様は神様か!
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「大家さんー、お待たせ致しました!」
窓を開けて煙草を吸っている大家さんが、台所から出てきた私の方を向くため顔を上げた。
目はまだ疲れたようにしょぼしょぼと瞬きを繰り返している。
徹夜明けと言っていたから、きっと〆切か何かに追われていたんだろう。
よく知らないけどハードそうな仕事だ。
「ありがとう。にしても、やけに時間かかったね」
「慣れない場所に手間取っちゃって」
淹れ方がわからず悩んでいたなんて、口が裂けても言えない。
「ささ、熱いうちにどうぞ」
淹れたてほやほやの特製紅茶を、大家さんの前に置いた。
良い茶葉を使っている筈だから、美味しくない訳がない。
「では、頂きます」
煙草を灰皿に押し付けた大家さんが、ティーカップを手に取った。
………こうして見ると、この人は意外にイケメンなのだ。
くたびれたスウェットじゃなければ、紅茶を飲む姿も様になったと思うのになあ。
「……」
何だか残念な気持ちで大家さんを見ていると、ごくりと喉が上下して、紅茶が飲み込まれるのがわかった。
「…………む!!」
次の瞬間、大家さんの目が思いきり見開かれる!!