大家様は神様か!
大家さんの視線に耐え、私も負けじと見返す。
これしか持ってないのならしょうがない、と大家さんが折れ、麦茶を飲み干した。
やがて立ち上がり、玄関口に向かって歩き出す。
「じゃ、行こうか」
「待ってください、私何も聞いてません」
「へーきへーき。そもそも君に拒否権なんてないんだから、聞いても聞かなくても変わんないって」
いつもの健康サンダルじゃない、普通のスニーカーを履く大家さん。
私はその背後に立つ。
「……ヘンなとこはやめてくださいね」
「安心して、女子高生と風俗に行く趣味はないから」
「セクハラですよ」
「ごめんなさい嘘です」
ドアを開け外に出ると、夏の熱気が一気に私を包んだ。
覗き見える空は青く澄んでいて、まさに夏真っ盛りという感じだ。