大家様は神様か!

▼△▼△▼

「あ、大倉さん来てくださったんですか?いつもありがとうございます」

「いやいや、こっちこそいつも助かってるよ」


黒と白のモノトーンを基調とした店内で、大家さん(心の中は諦めた)と店員さんが話すのをじっと見る。

大人っぽい雰囲気の似合う女性が主なお客のようで、全体的に場違い感しかなかった。


大家さんが今話している人も、お店に相応しいTHE☆オトナって感じだ。

茶髪、よりも何トーンか暗い、落ち着いた髪色。

手入れの行き通った髪の毛をふんわりと結い上げ、白いうなじを覗かせている。

洋服はこの店の物のようだ。

こういう店には彼女みたいな女の人を連れてくるべきなのに、大家さんは何が楽しくてこんな小娘と一緒なのか。


………まあ、今彼と私は恋人という設定なんだけどさ。

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