大家様は神様か!

…正直、めっちゃ好きだ、このネックレス。

とは言え、そんなことを言えば買ってくれてしまうのが、先程の買い物で学んだ。

ここはきっぱり断らねばならない。


「裕、でも、申し訳な……」

「あちらの彼女が付けているやつを、カードで」

「では、こちらにサインを」

「ノオォォォォォォォォォォォ」


遅かった!!

私がアクアマリンとの別れを決意している間に、もうお会計をしているなんて!!


「あのっ、私ほんとに」

「いいんだってば。俺が好きでやってるんだから。気に入ってるでしょ、結構」


意地悪い顔で指摘され、言葉を詰まらせる。


「それは……そうです、けど」

「それなら問題ナシ。似合ってるしさ。あ、でもちゃんと付けてね」

「…………………はい」


―――私の宝物が、増える予感。

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