大家様は神様か!

慌ててリビングに行くと、テーブルの上に紙があった。

私がバイトに行くときにはなかったから、きっとお父さんが置いていったんだろう。

その紙を手で取り、文字を読む。


「華火へ。すまない華火、父さん今まで黙ってたんだけど、実は借金があった……?!…もうちょっとやばいからトンズラする、ね。借金は頑張って返すから、お前はしばらくどこかに隠れていなさ……い…」


あまりの衝撃に、指から力が抜けた。

パサリと、紙が床に落ちていく。


………え?ドユコト?


脳の神経がようやく状況を中枢に伝えたらしく、ありえない事実に血の気が失せていった。

え?え?え?

つまり、私が知らなかっただけで家には借金があって、それがもうやばくて、お父さんは先に逃げて、私は、私は―――。

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