大家様は神様か!
「お、大家さん……?」
びっくりしすぎて、裕と呼ぶのを忘れてしまった。
でもそんな事全く気にしない様子で、大家さんは私を見つめる。
ぐい、と引っ張られて、完全に大家さんに乗っかる体勢になった。
私の顔は彼の肩に乗っている。
耳元に吐息を感じて、体温が急上昇するのが自分でもわかった。
「……ねえ」
また、あの声だ。
熱く掠れた、色っぽい声。
「まだ取材って続けていいの?」
耳朶を甘く打つ低音に、頭が真っ白になっていく。
熱い、ただただ熱い。
「続いてるんだったら」
「キスしてもいいかな」
私の体を少し起こさせ、大家さんと真正面から見つめあうことになった。