大家様は神様か!
3.物理的ホットナイト
長いような短いような日曜日が終わり、私は健全な高校生らしく、普通に登校した。
チャイムが鳴る2分前、余裕の表情で教室に滑り込む。
「おー、華火やん。おは、今日も遅いなあ」
「むっちゃんおはー」
一番廊下側の最後列。
遅刻ギリギリでも問題なし、さらに何してもあまりバレないという、至高にして最高の席だ。
くじでこの席を当てた時は、クラス中から羨望の眼差しを向けられた。
「お父さん見つかったん?」
「ううん、全然。携帯もずっと切られてて」
お掛けになった電話は、現在電源を――…。
耳にこびりついた電子音声が、勝手に脳内再生を始める。