大家様は神様か!
(これ以上余計な事言わないでくれ)
クラスメイトによる切実な祈りは届かず、今日のHRもまともな話はなかった。
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「宮川センセ、何であんな怒るんやろうな。別に結婚なんかせんでもええやろ」
パック入りのいちごミルクを飲みながら、むっちゃんは首を傾げる。
慌ただしく午前中の授業が終わり、昼食の時間だ。
いつも通りむっちゃんが私の席に来て、一緒にご飯を食べていた。
お弁当に入っていたプチトマトをつまみ、彼女に返答する。
「そりゃ、先生にも色々あるんでしょ。大人の事情ってやつが」
「ほー。毎朝チョークを1本無駄にせないけんほどの事情がなあ」
「チョークが無駄になってるのはむっちゃんのせい」
「ウチは思た事言うとるだけや」
こりゃ駄目だ、と肩をすくめた時、後ろから睦月、と言う声がした。