First Letter〜1年間の夢物語〜
不意打ちで、驚き、勢い良く視線をはずして、一秒。
もう一度、視線を戻す。
目が合った男子はもう、前を見て歩いていた。
「思いっきり目そらしちゃった…」
少し、罪悪感を感じたけど、自分が移動するときになった頃にはそんなことがあったことすら忘れてしまっていた。
皇李音高校 前期選抜試験会場
校門の横にかけられている看板に、軽く手を合わせて願いを込める。
「受かっています様に…」
筆記テストと面接、どちらも出来ることはしたつもり。
後は、合格発表を待つだけ…
不安はあるけど、受かっていると信じて駅へと足を向けた。