傷を負った私を助けたのはヤクザでした。【完】
周平「今日は食べろ」
そう、今日もあたしは食事を見ているだけ。
お腹は減ってるのだけど、体は痛いわ口が受け付けないわで全然食べなくなった。
前までは、これ食べたら美味しそうだろうなとか思ってたけど、全然美味しそうだなんて思わなくなった。
もう口が受け付けない。
なんか、これ前もあったような…なんて思う始末。
あたしは無言で小さく首を振った。
周平「死ぬぞ」
真剣な眼差しで見てくる若頭さんに顔を背けるしかなかった。
周平「今…屋敷が騒がしい。なんでだか分かるか?」
そんなの、しらない。
あたしは動かない体を必死で動かし起き上がろうとした。
ガチャっと扉を開きその奥にいたのは、あたしのお母さん。
雍「…ねえ…何してるの、周平」
背筋が凍るほど低い声だった。