傷を負った私を助けたのはヤクザでした。【完】


お母さんに引っ張られるがまま…動かない足を無理やり動かし、体が倒れないギリギリを保っていた。



気を緩めたら倒れる…。



そしたらまた殴られる…そう思うと体は素直になった。






振り返るとあたしがさっきまでいた部屋の中に若頭がこちらをただ見ていた。





若頭さんの表情が読めなかった。





何を思ってるんだろう。






汚い



惨め



自業自得



哀れ





若頭さんからしたら、どれも今のあたしにピッタリな言葉だった。






屋敷の中を進むうちにだんだん声が騒がしくなってきた。






「うおおおおお!!」




「くそッ!!」




などの声やたくさんの足音、関節が外れる音、服が擦れる音、殴られる音…様々だった。






そして、目に留まったのは






流「百合ちゃん…」




永「…助けに来た」






あたしがここに来る理由になった人達。





百「流星さん…永太さん」



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