傷を負った私を助けたのはヤクザでした。【完】
なんで、きたの…。
なんで…。
こんな姿…見られたくなかった。
裸足で髪ボサボサで身体中痣だらけでボロボロの姿なんて…見られたくなかった。
雍「動かないで」
お母さんの声とともに何か首に冷たいものが当たった。
見なくてもこの状況で分かったよ。
流「お前、嫌でも百合ちゃんの母親だろ」
雍「だから嫌なの。決して切れない、あたしとあんな男の血が入ってる子だもの。」
お父さんをあんな男だなんて言わないで…。
お母さんが言わないで。
鷹「殺しちゃえば?」
永「てめえ、何言ってんだ」
鷹「今のお前にとって、邪魔だもんなあ。あ、こっちの方が切れ味が良い。これ使えよ。」
そう言って自分が使ってた愛用の日本刀をお母さんの足元に投げた。
鷹「お前なら殺れるって…」
あたしの耳元でお母さんの手にグッと力が入るのが聞こえた。
そこに丁度あの若頭さんが走ってきた。
今の私たちの状況に驚きを隠せないらしい。
周平「母さん…」