傷を負った私を助けたのはヤクザでした。【完】
「っ…なにしてんだよ、百合」
一瞬のできごとだった。
あたしの目の前に刃物の姿があらわになった。
あたしの手を包み込む大きな手。
あたしはこの手の主を知っている。
見上げるとここに来るはずのない彼がいた。
息が凄い切れてる。
まだ治ってない痛々しい傷。
あぁ、なんで。
なんであなたがあたしの目の前に立っているの…。
頬に涙が伝った。
百「っ…玲…真」
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