傷を負った私を助けたのはヤクザでした。【完】
雍「あたしも確かめたかっただけなの。なのに」
スローモーションのようだった。
雍「やっと、よ」
お母さんが刺した相手、それは
鷹「お前っ…」
柏木組長の柏木鷹だった。
鷹「周平…」
柏木組長が見つめる先、若頭はそのまま動かず立っていた。
その視線からは自業自得…そう言っているかのようだった。
雍「やっと、あたしも貴方から解放されるのよ」
鷹「くっ…」
刺された組長は膝をつき、呼吸が乱れていた。
お母さんは、組長の顔を両手で包み込み自分の顔の前まであげた。
雍「ごめんなさい、あなた。脅迫されてここに来た時から決めてたことなの。許して?あっちで何も囚われずにいきましょ?」
鷹「っ…」
力尽きたのか、組長はぐったりと倒れた。