傷を負った私を助けたのはヤクザでした。【完】
あたしの言葉を聞いて納得した顔をしてた玲真。
玲「お前か、百合に脅迫したのもここに連れてきたのも」
鳩「今更?あれ、情報提供したのも俺なんだけど。」
玲「あ?なんのことだ」
鳩「ほんっと、噂通り捨て猫に溺れてる若頭だな。」
玲「あ?捨て猫だと?」
捨て猫…なんかきいたことあるような…?
鳩「聞いたんだよ、お前を捨て猫と呼んだやつからな。お前は本当はあの母親の隣で死ぬはずだったんだがな…。あの母親の好意でやめてやるよ。」
流「玲真、用意できた」
車のことだろう。
流星さんの言葉を聞いて玲真とあたしは歩き出した。
鳩「良いのか」
通り過ぎた時に聞こえた小さい声。
百「ここで充分」
組員の人の間から少しだけ見えるお母さんの顔。
それで充分。
幸せそうな顔だったから。
時々鳩が話す人ってお母さんのことでしょ?
百「また聞かせてね」
お母さんのこと。
鳩に届いてるかわからない。
後ろを見た時にはもう既にいなかったから。