傷を負った私を助けたのはヤクザでした。【完】
最終章



それから数日…。





屋敷にいるとあたしに手紙が来た。





それはあの柏木組の若頭、柏木周平という人から。





白井百合様へ



数々の暴力、申し訳なかった。

母、父の百合への不適切な対応を許して欲しいとは言わない。

母は、ずっと百合のことを俺に話していた。父からの厳しい監視を背に、百合のことをいつも話す時は穏やかな顔だった。

あれが本当の愛、だと思う。

百合への暴力的な態度を見せる裏には俺の部屋で泣いていた時もあった。


母さんにはしっかり百合を想っていたということをこの手紙で少しでも知れたら母さんは喜ぶだろう。


今、柏木組は新しく正統派として改心していきたいと思う。

不謹慎だが、また俺に会っていただけないだろうか。


待っている。
×××-×××-×××

P.S.

アイツなら、ここに居るはずだ。
東京都〇〇〇〇〇〇


柏木組長
柏木周平

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