傷を負った私を助けたのはヤクザでした。【完】
玲「お前、裏で繋がってたのかよ」
百「え?」
玲真の見つめる先は真一さん。
真「ネタバレされては困りますね。あの方も。」
顔色一つ変えない真一さん。
玲「どこまで繋がってんだよ。つか、俺以外に漏れたらどうしたわけ?」
真「どこって、ただ弱味を握っただけですけどね。」
玲「それで全部操ってたわけ?鳩っつう殺し屋を」
真「ここを裏切る行為はひとつもないですよ。」
玲「それは親父が決めることだろ」
真「到着しました。」
話を逸らされ顔を歪ませる玲真。
玲「溺れてるのは間違いねえが、捨て猫じゃねえ。ちゃんと言っとけ。行くぞ」
ガチャっと開けて降りる玲真。
百「あっ…玲真、待って。」
玲真を追うあたし。
玲「はやく、百合」
さっきの顔とは一点、別人のように穏やかな顔であたしに手を伸ばす玲真。