傷を負った私を助けたのはヤクザでした。【完】
自分のことが好きではない男と結婚できるなんて…流石鈴木組…いや、七音はいい女だと思う。
七音は、俺以外のもっと良い男と幸せになって欲しい。
それが叶わないのが現実。
「玲真…?」
「七音は良い女だな」
「…え?」
その時、ノックがした。
「式のご準備を」
扉が開いて出てきた介添人。
「行きましょう。」
七音の後ろ姿が少し頼もしく見えた。
「しっかり、今日はエスコートしてね?旦那さん」
こちらを見てニッコリ笑う七音は絶対楽しんでいる。
「当たり前だ」
七音に手を差し出し、手を取った七音をエスコートしていく。
うまくやってやる。