傷を負った私を助けたのはヤクザでした。【完】
順調だった。
うまくやった。
完璧だった。
「お疲れさま」
控え室。
結婚式を無事に終わらせることができ、二人きりになった時に七音に話しかけた。
「玲真こそ。まさか、誓いのキス本当にされるとは思わなかった」
クスクス笑う七音。
俺もギリギリで止めるつもりだった。
でも…
あの時…七音と目が合った時、
七音が百合と重なった。
百合に見られている感覚に陥った。
だからした。なんて答えられるわけがなく…。
「今日の俺、完璧だっただろ?」
「うん、かっこよかったよ」
七音の突然の満面の笑みに少し動揺した。
「こんな旦那さんがいて、嬉しいよ」
「七音?」
後ろで何かが動いた…気がした。