傷を負った私を助けたのはヤクザでした。【完】
後ろを振り返るけど、誰もいない。
「玲真…?何かしたの?」
後ろで不思議がっている七音…いや、楽しんでるような声だった。
さっきのは何だ、マフィアか何かか?
扉の後ろや外に出てみるが誰も姿はなく、気配すら…なかった。
「誰か、いたね?」
「誰か分かったのか?」
「玲真、本当に分からないの?私も少し驚いたけど。」
「鈍ってるんじゃない?本当に、百合ちゃんのこと好きなの?」
百合…。
まさかな、百合だぞ?
半信半疑ながらも足が百合の方へと進んでいった。
でも、部屋からは出れなかった。
「私、玲真が思っているほどいい女…じゃないよ?」
俺の腕を掴み、ニヤッと笑った七音。