傷を負った私を助けたのはヤクザでした。【完】



後ろを振り返るけど、誰もいない。





「玲真…?何かしたの?」




後ろで不思議がっている七音…いや、楽しんでるような声だった。





さっきのは何だ、マフィアか何かか?





扉の後ろや外に出てみるが誰も姿はなく、気配すら…なかった。






「誰か、いたね?」




「誰か分かったのか?」





「玲真、本当に分からないの?私も少し驚いたけど。」






「鈍ってるんじゃない?本当に、百合ちゃんのこと好きなの?」







百合…。





まさかな、百合だぞ?





半信半疑ながらも足が百合の方へと進んでいった。




でも、部屋からは出れなかった。







「私、玲真が思っているほどいい女…じゃないよ?」






俺の腕を掴み、ニヤッと笑った七音。





< 148 / 193 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop