傷を負った私を助けたのはヤクザでした。【完】
百「・・ついって何?ついって・・それで終わろうとしているの?」
母「・・・ごめんなさい」
血まみれの手をあたしの方へ向けてきた。
百「・・・いや・・こっち来ないで!!」
あたしは後ずさりした。
「・・あたしにはね?新しい家庭があるの。新しい赤ちゃんも・・このお腹に居るの。だからお母さんの身代わりに、なって?」
・・え?
意味が分からないよ・・
百「・・お母さんの代わりに警察に捕まれって??」
母「そうよ。頭いいわね?百合。」
さっきまでの涙はどこへ行ったのか…あたしに笑いかけたお母さん。
あまりの気持ち悪さと怖さに、あたしは家を全速力で飛び出した。
ーー今までの暖かい笑顔は嘘だったの?
ーー今まで楽しかったあの家庭はもうないの?
ーーあんなに仲良くて評判だった家族なのに・・?