傷を負った私を助けたのはヤクザでした。【完】
百「教えて欲しい」
康「え?」
百「今日のこと、康介なら…知ってるはずだよね?なんで玲真があんなことになったのかも…」
康介の腕を掴むとビクッとした康介。
康「ごめん…それはちょっと…」
顔を歪ませ、申し訳なさそうに言う康介。
百「簡単に言ってくれないのなんて分かってる…。」
部外者だって分かってる…。
でも…。
知りたいの。
涙が落ちないために、俯いていたけどいつの間にか康介の腕をぎゅっと握りしめていた。
百「ごめん…聞いてもあたしには何も出来ないのに…。」
玲真のために…他の組員の人のために何か出来ることをやりたいのに。
こんなあたしじゃ何も出来ない。
こんな無力なあたしじゃ…。
康「これを聞いても…自分を責めないでほしい。」
百「えっ…?」