恋時雨〜少し待っていてください〜
運命の出会い
入社当日は雨が降っていた



せっかくのスーツが台無しになってしまうのを避けるために母に送ってもらった



オフィスに入るなり私は大きな声であいさつをした



「おはようごじゃい、ございます!

今日からお世話になる銀次と申します!

よろしくお願いします!」


いきなり噛んでしまった。


しかし追い打ちをかけるように上司は言った



「君の紹介はあとでするからあっちに座ってて」


なんとも恥ずかしいものである



久しぶりに大きな声を出したせいで


少しパンツが汚れてしまった




その後改めて自己紹介を終えた



上司は私の教育係りとして1人の女性を紹介してくれた


「今日から銀次さんの教育係りとなる小泉です。よろしくお願いします。」



私はその教育係の女性を見た瞬間



矢で胸を貫かれたような



いや、ハンマー投げの室伏選手の投げたハンマーを頭にぶつけられたような衝撃が走った



そのせいか私はうまく返事ができなかった
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