今日も君に翻弄される。
『何をするのか知らないけど、危ない行動は慎んで』

『(和泉くんが恐ろしく積極的だけど、一体どうしたの本当に……!!)』


返事が来なかった。


バスの中でも、別に気付かないはずはないのだ。


訝しんで促す。


『葵?』

『学校に行くだけだよ』

「…………」


じゃああのメールは何。


尋ねると、返信にかなりの間があって。


葵は心配そうに、細々と説明を開始した。


夢を見た。

人魚の夢だった。

僕にメールをした。


まとめるとこんな感じだ。


……二番目と三番目の間に全然脈絡が読み取れない。


思わず、は? と返したくなったのは、決して僕だけではないはずだ。


詳細を語らせた葵によれば、何と、僕が王子、葵が人魚姫という配役の、奇っ怪千万極まりない内容だという。
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