今日も君に翻弄される。
『事実だよ!』


……呑気だな、全くもう。


虚実だ、と書いて送ると。


『クールな和泉くんも好きさー!』


…………。


「葵は今日も馬鹿だね……」


狡いな、と思う。


何気ない一言がどれ程僕を安心させるのか、彼女は今日も真実を知らない。


葵はいつだってお花畑の妖精で、

きっとそこには蝶なんかもやって来ていて、

戯れながらえへへと笑って、


だからこんなに能天気なのだ。


何も考えてないんじゃないか、というくらいぼーっとしているように見えてその実敏感で、周囲を気遣ってばかりいる僕の彼女は、今日も今日とてのんびり屋だ。


だけどとても愛おしい。
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