今日も君に翻弄される。
『あれだよ、心に居続けるんだよ!』


星になるより確実で、よほど名案だ。


そう、葵は主張するけど。


僕は半信半疑のまま、返事を打った。


『そんな次第に薄れそうなものは嫌だ』

『(うおあ、現実主義者(リアリスト)来たー……!)』


紙面上でも何でも、指切りなら尚更、儚い約束はいらない。


確約も同様。


壊れゆく脆いものじゃなくて、確かな結果が欲しい。


先程ああ言ったけど、訂正しよう。


やはり、僕は。


『葵の一番が良い』


葵の悪口ばかり言う、あまり彼氏らしくない彼氏だけど。


本音を知られることを怖がるような、愚かで独り善がりな僕だけど。


もし望んでも良いのなら、葵の特別が僕であればこんなに嬉しいことはない。


ねえ、葵。


葵が願ってくれるなら、僕の最愛をあげるから。


僕よりほんの少し長くで構わない、僕のことを好きでいてよ。
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