今日も君に翻弄される。
しばらく考えていたのか、返信が途絶えた和泉くん。


呆れられてはいないと信じたい。


「っコホ……はあ……」


別段眠くはなく、することもない。


うっすらとまどろみながら待っていると、何度目かのまばたきの後、話題が変わった文が送られてきた。


『今一人? 薬飲んだ?』


子どもに聞く常套句にふくれる。


確認は優しい。


……和泉くんお母さんですか。


何だかお母さんみたいなんですが。


苦笑して熱計っておかゆ作ってくれそうなんですが。


『一人。飲んでない……』

『じゃあやっぱり行くよ。市販の薬買っていくから飲んで。飲める?』


まばたきをゆっくりして。


思考を必死に傾けて。


導き出された結論に、わたわたと静止を要請した。


『飲めるけど、あの本当に待って』

『何で』
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