今日も君に翻弄される。
当然のごとく、わたしの甘いものレーダーは反応。


「和泉くん、甘い匂いする……!」


きらきらした顔で和泉くんを見上げると、呆れた溜め息がお出迎え。


「カルメ焼きとかべっこう飴とかあるからでしょ」


呆れてるってことは、多分。


気づくって予想してたら、本当に当たっちゃって、わたしの残念っぷりを再確認している、


とかそういうところだろう。


心中お察しするけど。


甘いものに目がないわたしが、甘い匂いを嗅ぎ分けないはずがないのだ。


と、言うと、何だか犬みたいだけど。


「食べたい! 何円!?」


ぐいぐいシャツを引っ張るわたしの手を掴む。


「伸びるからやめて」

「うん! 分かった!」

「はあ……」


本当に分かってるの、という疑いのまなざしで私を見る和泉くん。


おやつが食べたいがために、

ろくに考えもしないで、とりあえず言われた通りにしているのを見抜かれているらしい。


子どもみたいでごめん、でもわたしなんてそんなものだ。


だってお菓子、お菓子だよ!?


騒がないでいられようか!!
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