今日も君に翻弄される。
遅い時間に連絡が来るのは珍しい。


わたしがあんまりにも早く寝るものだから、起こさないように、と、あまり夜遅くには連絡しないでくれるのだ。


今回は特別、わたしからのお願いなので、要請内容を確認してからじゃないと後回しにもできなくて、仕方なく遅い時間帯に連絡をくれたものと思われる。


こんなに遅くなったのは、多分、部活をしていたから。


和泉くんは化学部に所属していて、プラス部長さんだったりするので忙しい。


部活に入っていないわたしなんかとは大違いだ。


真面目な部なので活動も多く、暇はあまりないのだと聞いている。


さすが和泉くん。


『お疲れさまです』

『お疲れ様。夜遅くにごめんね。それで、どうしたの』

『テストがねー、数学の点数がひどかったんだよ』


恥ずかしいけど、和泉くんはわたしは頭が悪いと知っている。


今さら誤魔化しても意味はない。


でも、具体的な点数は書き込まなかった。


いくら阿呆なわたしにだって、意地と見栄と、矜持ってものがあるのです。


とか何とか、思っていたら。


『大変だね。追試頑張って』


裏目に出てしまった……!
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