今日も君に翻弄される。
そんなこんなで。


かなり赤いくせに彼氏様から視線を逸らさない、という奇妙な構図ができてしまった。


「これは論文。……葵」

「う、うん」

「青いんだか赤いんだか、どっちかにしなよ」


呆れた顔の和泉くん。


嘆息なんてしちゃってるけどかっこいいですね和泉くん。


「無理だよー……」


だって恥ずかしいし、でも怖いし、わたしだって動揺しているのだ。


どれだけ勉強に耐性ないんだ、とお考えのそこのあなた。


皆無です。


じゃなきゃ、一生懸命勉強したのに赤点近い点数取ったりしないよ……! 多分。


再度嘆息した和泉くんは、できるだけ端に用紙を置いてくれた。


見ていられなかったらしい。


うう、ごめんなさい。


とてもふがいない。
< 52 / 261 >

この作品をシェア

pagetop