今日も君に翻弄される。
出会ったときからいつだって、わたしを甘やかしてばっかりだ。
「……和泉くん大好き」
小さくてかすれた呟きを落とす。
ありがとうと言ってもはぐらかされるだろうから、ありがとうは言わない。
代わりに感謝を込めた大好きを何度も伝える。
そっとそっと、告げる。
和泉くんだけにかろうじて聞こえる音量で、本に顔をうずめて、分かりにくいありがとうを投げた。
「……和泉くん、大好き」
「うん」
吐息混じりの肯定は、わたしの胸にそっと帰着して。
密やかに、
緩やかに、
穏やかに、
まろやかに、
ふわり、ふわりと。
優しく大気に溶ける。
「……和泉くん大好き」
小さくてかすれた呟きを落とす。
ありがとうと言ってもはぐらかされるだろうから、ありがとうは言わない。
代わりに感謝を込めた大好きを何度も伝える。
そっとそっと、告げる。
和泉くんだけにかろうじて聞こえる音量で、本に顔をうずめて、分かりにくいありがとうを投げた。
「……和泉くん、大好き」
「うん」
吐息混じりの肯定は、わたしの胸にそっと帰着して。
密やかに、
緩やかに、
穏やかに、
まろやかに、
ふわり、ふわりと。
優しく大気に溶ける。