今日も君に翻弄される。
ふんだふんだ。


和泉くんは絶対生真面目で理屈っぽいもん。


言いくるめられたけど、反抗心はちょっぴりある。


だって、和泉くんを生真面目で理屈っぽいと言わずして誰を言うのか。


「……葵」

「あ、うん」


和泉くんは早く話題を変えたいと見える。


せっかちに促され、わたしは慌てて口を開いた。


「わたしは妹とわたしと、お父さんお母さん、の四人暮らし」

「葵が長女……」


えええ、と嫌悪を表情にのせた和泉くんが、少し体を引いた。


こらそこ、どういう意味だ! わたしがお姉ちゃんだとおかしいのか!


心中うるさく騒ぎつつ流す。


和泉くんのひどい発言をいちいち気にしていたら疲れてしまう。


言わないだけでしっかり傷心してるんだから。


和泉くんの馬鹿ー!
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