Arcana of heart
〔いよいよ決勝戦だーー!!勝ち残った二人も、残念ながら負けた奴も、皆で盛り上がろうぜーーー!〕
「「「「いえぇぇぇぇぇぇい!!」」」」
決勝戦ともなると、必然的に全体が盛り上がる。とある二人を除いて。
「リベッティオ・・・!」
「何怒ってんだよ?意味わかんねぇ」
冷えた二人組。その二人を一瞬で燃やす戦いの火蓋が、今切って落とされた。
「無形連撃《ステルスガトリング》!」
「古代槍豪雨《エンシェントスピアゲリラ》。」
ぶつかり合う二つの武器。連続してぶつかるその武器は、周囲の人間には見えない速度だった。
どの程度時間がたっただろうか。
永遠に続くのでは無いかと思われた戦いは、片方の突然の行動で終わりを告げた。
「疾風神の激昂《ヘルメスディメット》。」
突然横凪ぎに振るわれた槍。それは急速に加速し、
「がぁっ!!」
ラーの右腕に直撃、ラー自身も吹き飛ばされた。が、彼もただで受けたわけでは無かった。
「おわぁっ!?」
ブリューグントに結ばれたフレイムロープ。槍を握ったままのリベッティオは、そのままラーの右隣に吹き飛ばされた。
「ってててて・・・」
のそのそと起き上がるリベッティオ。それにつられてラーも体を起こす。
「ったく・・・。少しお前を見くびってたかなぁ・・・」
「・・・・・・あぁ?」
ととん、と軽快なバックステップで距離を取るリベッティオ。彼は10mほど離れると、槍を後ろに引いた。
「いいぜ、これからスキルを使う。お前も使え。一騎討ちって奴だ。」
「・・・ははっ、いいねぇ」
よろよろと二歩ほど歩いたラーは、右手に持っていたソードブレイカーをしまい、左手のソードブレイカーを右側の腰に構える。
「エヴォルブ。」
この一声とともに、ラーの姿は炎のドームのようなものに包まれた。
「んだよ、今更守りに出たってのか?面白くねぇ・・・!」
力を込めるリベッティオ。それとともにブリューグントは光を纏う。そして
「英雄古剣《カラド・ヴォルグ》!」
大きな光の槍を構え、リベッティオはかなりの速さで踏み込んだ。彼の体とともに風を切る光の槍は、真っ直ぐとラーへ向かっていった。