Arcana of heart
訓練所にて。
何故か御霊さんと戦う事になり・・
「腕試しだ。言っとくが御霊は強いぞ。頑張って来い。」
「よろしくねぇ」
「よ、よろしくお願いします・・・」
正直、戦いにならん気がする。
俺たちが定位置についたのを確認すると、
「これより、模擬戦を行う!制限時間無制限。始め!」
ハンスの叫びと共に、俺は剣を抜く。先手必勝、と思ったがそうも行かなかった。
「狐火<壱式>!」
「っっっ!?!?無眼翼《ステルスウィング》!!」
巨大な炎の球。避けきれないと判断した俺は、使える技の中から炎を分けれるようなものを選び使う。
「っぶねぇ」
「そんなぁ・・・新人ちゃんにかわされるなんてまだまだだねぇ」
無眼翼《ステルスウィング》。
正面を横一閃する。するとそこに切れ口状の真空空間が出来る。何かが触れると消えてしまうが、触れたものは触れた場所がパックリ裂けるし、真空空間は目に見えない。
だから無眼翼。親父が教えてくれた技術《スキル》だ。
「手加減はするなよー」
「してないわよー」
トーマと御霊はゆるーい会話をしているが、俺にそんな余裕はない。
「空間圧縮《スペースコンプレーション》!!」
「へぇっ!?」
親父から教えてもらった魔術《スペル》の1つ。半径五メートル以内にワープするスペルだ。かなり頭が痛くなるが、もう慣れている。
「いつ後ろにっ!?」
「太陽激《サンドライブ》!」
何故か生まれつき使える技魔術《ハーフ・ハーフ》圧縮した炎の一撃を相手にぶつけ、吹き飛ばす術だ。俺のもつ最大限の力をぶつけた。
「ぐっ・・・はがぁっ!」
「はぁ・・・はぁ・・・決まった・・・か?」
まだ土煙でよく見えないが、かなり吹き飛んだはずだ。
が。
「鬼火<二十四式>!!!」
「うっそだろぉっ」
土煙の中から無数の炎のドリルのようなものがこちらへ飛んでくる。
太陽激を使ったお陰でスキルもスペルも使えないほど疲労した俺は、ふらふらと立ち上がり逃げようとした。したのだが、
「おわぁっ」
疲れのせいで倒れこんでしまった。ヤバイ。と、そのとき。
「紡錘霰」
俺の体を氷が包み込んだ。