君の隣
「ゆーせい、まーだー?」
奈々は侑聖を待っているらしい。
「ごめんな?パパに遊んでもらいな」
「侑聖、モテるね」
嫌味っぽく聞こえたかな?
…少しくらい、いいよね。
「来てたのか」
そんな会話をしていると、お父さんがリビングに入って来て私たちの前に座る。
夜勤あけ?
少し疲れているように見える。
「大切な話をする」
娘はやらない、とか言うの?
……まだ結婚の話じゃないけど。
なんだろ、この間。
「家に帰って来ないか」
「なんで」
私は下を向く。
急に?
同棲、認めてくれてるんでしょ?
「胃がんなんだ」