名前を教えてあげる。
「お前のここ、すげえ…」
哲平は尖らせた舌で、掬うように愛撫を始めた。
哲平の髭が美緒の内腿にちくちくと刺さり、美緒の喘ぎ声はさらに大きくなる。
「声が出るたびに、締め付けてくるんだ…我慢すんの大変なんだよ…」
哲平の卑猥な言葉に美緒は、身体を仰け反らせた。
これは【アナザーワールド】
今、自分はミオになる。
まだ18歳なのに、恋をする権利を失いたくなかった。
こっそり、鎖を切ってしまえばいい。そこから先は、また新たな何かが見えてくる。
身体に触れる哲平の温かい手。こすれる皮膚と皮膚の感触だけが今は現実だった。
「雪……まだ降ってるかな?」
帰る時間を気にしたわけではなかったけれど、美緒がいうと、哲平はベッドから降り、カーテンを開け放った。
「すげえ…信じられないくらい積もってるよ…」
「ええっ?」
窓辺から見る景色は、一面の白い世界だった。
「やだあ!すごい!」
「これじゃ、電車止まってるかもなあ…ああ〜スノボしてえ。今度やりに行こうか?」
「え、ああ…う、うん……」
スキーに一度も行ったことのない美緒には、スノーボードの誘いは魅力的だったけれど、今はそれどころじゃなかった