名前を教えてあげる。
「……美緒ちゃんのあれ、すげえんだってね」
「えっ?」
「あれじゃなくて、アソコっていうか」
タケシの言っている意味がすぐに分かり、美緒はたちまち真っ赤になった。
(光太郎のやつ…何、馬鹿なこと話してるの〜)
キャバクラがどうとか新装開店がどうとか、光太郎とタケシの会話がものすごくくだらないことは知っていたけれど、ここまでとは……
「中全体に小さい吸盤があるみてえとか。全然動かしてねえのに、入れた途端、イキそうになるって……女百人斬りの光太郎がいうんだからすげえよ。
俗にいうミミズ千匹ってやつ?」
「ミミズ…何それ?」
この人、さっきから何が言いたいんだろう……
真意が分からなくて、怪訝な顔をする美緒にタケシは明るく言った。
「一回5万!
掛ける10回。秘密厳守。
場所代は俺が出すわ。これでどう?
お互い楽しめるし、悪くねえだろ?」
美緒は赤面しながら、もじもじとした。
「やだ……タケシ君、こうちゃんの友達じゃない…そんな人と出来ないよ」
出来ない、と聞いた途端、タケシの右眉が跳ね上がった。
ふんぞり返り「あっそうかよ⁈」とドスの効いた声で言った。
美緒はびくっとなった。