名前を教えてあげる。


受信メールリストを開いた瞬間。
美緒の目は[平井りか]という名前に釘付けになった。

もちろん、知らない名前だ。
既読メッセージを開く。




[こんばんは。
今夜は(あ、日付けが変わったから昨夜かな?)ご馳走様でした(*^_^*)

すごく美味しかったし、楽しかったわ!

そして、ふらりとお花屋さんに立ち寄ったかと思えば、100本の薔薇の花束のプレゼント☆彡

すごくびっくり!でも嬉しかったわ。

薔薇はあらかじめ、予約注文してあったと聞き、またまた驚きました。

「なんの記念日?」
と私がきいたら、貴方は私の唇にキスをして、

「これから、俺たちが始まる記念日」
そう、答えてくれましたね……

夫とは離婚寸前なほど冷え切っているし、私なんて誰も女として見てくれない、と思っていたのでとても嬉しかった…

でも…
光太郎君のことは、本当に大好きだけれど、私、家庭を壊すことはやっぱり出来ない。

浮気癖と暴言癖のある夫には全然愛情ないけれど、中1の子供のた為に我慢しなきゃ…

光太郎君とは、たまにご飯食べに行ったり、キスしたり出来たらいいな…
光太郎君の婚約者にばれない程度に(笑)
虫がいいかしら?

それではお休みなさい(^_−)−☆



□今夜のキス、忘れなきゃいけないのに、忘れられない…♡□

りか






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