名前を教えてあげる。
「いや?お前でもNGあるんだ。
セックス好きのお前が。なんでもやらせるのかと思ってたわ」
光太郎はニヤニヤと笑う。
「……こんな無理矢理なの嫌…
ごめんなさいって、謝ってるじゃん…二度とスマホ見たりしないから…」
涙ながらに赦しを乞う美緒の背中に光太郎は両手を回し、ブラジャーのホックを壊そうと試みる。
(うわ、ナニこいつ……!)
光太郎の勃ったものが腹に当たるのを、美緒は身を捻って必死に避けた。
「…んだよ、マジ固え…」
数回、ブラジャーの紐を力任せに引っ張っていた時。
ふいに光太郎の身体が不自然に揺れた。
「うわっ!」
(え?)
バランスを崩した光太郎が、尻餅を着くようにしてその場にへたり込んだ。
「ママ、逃げて!」
光太郎の後ろにパジャマ姿恵理奈がいた。
恵理奈は、美緒に襲いかかる光太郎の腰を目一杯の力で引いて、母親を助けたのだ。
「恵理奈、起きたの!」
美緒は片手でパジャマの前を押さえ、空いた手で恵理奈を抱き締めた。
「ごめん、起こしちゃった…うるさかったよね…」
こんな醜態を晒してしまって、情けない気持ちで一杯になる。
「こんのガキ!ふざけた真似しやがって!」