名前を教えてあげる。
まず、自分達の生活基盤を整えてから、子供を引き取りたい。
光太郎は、いきなり父親になれないのだ。
元々、子供が好きでも嫌いでもない彼には、準備期間が必要…それは頷ける。
でも、来年、小学生になる恵理奈。
母恋しい時期にその子を手放すことなんか絶対出来ない。
自分自身、母親のいない環境で育った美緒は、恵理奈にだけは寂しい思いをさせたくなかった。
「……60パーセントくらいはもう、別れた方がいい、と思うんだけど、残りの40パーセントは、なんとか修復出来ないかって思っちゃうんだよね…」
「うん?ママ、何?」
恵理奈が首を傾げる。
独り言を恵理奈に聴かれ、美緒はぎくりとした。
思ったより大きな声が出ていたらしい。
「あ、なんでもないよ、あ、草餅もう1個食べよ!麦茶いれよう!」
卓袱台に両手をついて、立ち上がる。
「えっ、ママまだ食べるの?4つ目だよ?」
恵理奈が目を丸くした。
縁側に腰掛け、雅子は満足げに頷いた。
「うん。ぴったりね。午前中、街の問屋に仕入れにいったんだ。
それで急に思い出したわけ。恵理奈ちゃんの靴、なかったなあって。
そしたらこれがあってね。良かったあ、サイズもピッタリだわ」
光太郎は、いきなり父親になれないのだ。
元々、子供が好きでも嫌いでもない彼には、準備期間が必要…それは頷ける。
でも、来年、小学生になる恵理奈。
母恋しい時期にその子を手放すことなんか絶対出来ない。
自分自身、母親のいない環境で育った美緒は、恵理奈にだけは寂しい思いをさせたくなかった。
「……60パーセントくらいはもう、別れた方がいい、と思うんだけど、残りの40パーセントは、なんとか修復出来ないかって思っちゃうんだよね…」
「うん?ママ、何?」
恵理奈が首を傾げる。
独り言を恵理奈に聴かれ、美緒はぎくりとした。
思ったより大きな声が出ていたらしい。
「あ、なんでもないよ、あ、草餅もう1個食べよ!麦茶いれよう!」
卓袱台に両手をついて、立ち上がる。
「えっ、ママまだ食べるの?4つ目だよ?」
恵理奈が目を丸くした。
縁側に腰掛け、雅子は満足げに頷いた。
「うん。ぴったりね。午前中、街の問屋に仕入れにいったんだ。
それで急に思い出したわけ。恵理奈ちゃんの靴、なかったなあって。
そしたらこれがあってね。良かったあ、サイズもピッタリだわ」