名前を教えてあげる。
同色のフリルのミニスカート付き3点セット(スカートの両サイドに小さなリボンがついていて、これがすごくキュートだった)13000円。
白い造花をあしらったビーチサンダル、1980円、モンステラ柄のビックタオル2000円。
それに、日焼け止めオイル。
美緒がアルバイトして貯めたお金はあっと言う間に残金600円になってしまったけれど、仕方ない。
ハイビスカスの付いた大きな籠バッグと茶色のレンズのサングラスは真由子が貸してくれた。
真由子の全面バックアップのおかげで、お気に入りの水着を着て、シャワー・ルームから出てきた美緒に、順は目を輝かせた。
美緒の耳元で「すっげえエロい」と囁いて。
いつもは携帯で写真を撮るのに、デジタルカメラを取り出して、ビーチマットに座ったり寝転んだりする美緒を何枚も撮った。
「これは消さなくてもいいでしょ?」
と冗談ぽく言って。
もちろん、2人で肩を寄せた記念写真も撮った。
人でごった返すビーチでも、順の容貌は人目を引いた。
もともと茶色っぽい髪は、流行りの無造作なスタイリングで潮風に揺れている。
少し大きめな耳は、耳たぶが福耳なのが可愛らしかった。