名前を教えてあげる。
「美緒。お湯が溜まるまでアレ、やろう?」
順はそう言うと、美緒の右手を引っ張り半ば強引にベッドに誘った。
バスタブの湯は、満タンになってしまった。
「わあ!とんでもねえことになってる!しかも、あちーし!」
栓を抜き、熱い湯に冷水を足して一生懸命、温度を調整する順の広い背中を、美緒は洗い場に立ち、ぼんやりと見ていた。
騎乗位は、美緒にはしんどい体位だった。
順は全く加減してくれなかった。
腰を両手で押さえ付けられ、下から力一杯に何度も突き上げられた。
順が深く入り込むのが、未成熟な美緒の身体には受け入れきれず、下腹が痛くて仕方なかった。
美緒の口から漏れる声は、快感だけでなく、痛みを誤魔化すためでもあった。
それでなくても初体験の時から、結合は美緒にとって痛みを伴うものだった。
下校の時、寄り道したファミレスで、バンドエイドを貼って隠した首筋のキスマークを見せたあと、真由子に相談したことがあった(半分は惚気も入っていたけれど)
『美緒が狭過ぎるか、順のが大き過ぎるんじゃねえ?そのうち慣れるよ』
真由子が言った通り、回を重ねるごとに薄らいでいたのに、ここへきてまた別の種類の痛みに耐えなければならなかった。