名前を教えてあげる。
「……」
美緒は人目も憚らず、頭を抱え込んだ。
「順君、医学部に行くんだって?すごいよね。お母さんが言ってたよ。1日何時間も勉強してるって。
美緒、邪魔しちゃいけないよね……そういう受験のストレスもあって、美緒をはけ口にしちゃったのかもね」
ーーはけ口……
そんなんじゃない。愛してると順は言ったもん…
美緒は小さく頭を振る。
「美緒だけが悪いんじゃないよ。順君も悪い。
順君はイケメンだし、美緒が夢中になるのは分かるけど、まだ高校生なのに、簡単にそういうことするなんて尻軽過ぎる。
まあそれは、美緒に限ったことじゃないけど。
身体でしか彼氏を繋ぎとめる事が出来ないなんて、そんなに自分に自信が持てない?
それって女として、すごく惨めなことだとな思うよ?」
説教することが心地よくなってきたのか、みどりは普段より饒舌になっていた。