名前を教えてあげる。


美緒の腹がまた、ぽこぽこ…と鳴り始めた。



ーーこれは、胎動だ…赤ちゃんが動いてるんだ…赤ちゃんは生きてるんだ……



美緒はそっと腹に手をやる。




ーーごめん…ごめんね……私がもっと大人だったら、良かったのに…




気が付くと、口から小さく嗚咽が漏れていた。


みどりが咎めるような鋭い目で美緒を見る。


ーー叱られる……



美緒は急いで背中を丸め、両腕の中に顔を埋めた。

昨晩の順のように。











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