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思い出の守り人
58ページ
思い出の守り人
「優希ちゃん……」
春陽がそっと優希の肩に触れる。
「僕と春陽もそう思います」
奏太は優希にそっと微笑む。
「だから私はこの扇子を手放したりしません」
大きさが戻った扇子を閉じて両手で包みながら、優希は治臣に笑った。
笑顔を向けられた彼は目を見開いた後にふっと声をもらし、寂しそうに笑い返す。
「それがあなたの答えなんですね」
治臣は自分の視界が歪むのを感じたのだった。
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#現代
#ファンタジー
#思い出
#残酷描写有り
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