孤独な姫と溺愛王子
日常
ふと、目が覚めて時間を確かめるともう10時を過ぎたところだった。
あ、遅刻だ。
なんて呑気なことを思いながらゆっくりと準備をし始める。別に寝坊をするのは何時ものことだから焦ることのないあたしが家を出たのは、時計の長針と短針が12を指す頃だった。
学校に着き、2年A組の教室へ入ると丁度お昼の休み時間だった。
「澪っ!!」
あたしを呼ぶ元気な声が聞こえ振り向くと、数少ない友達の1人である日比野茜(ヒビノ アカネ)が机にお弁当を広げ此方へ手を降っていた。
「茜、おはよ」
「おはよ!もう、また寝坊?」
そう言って頬膨らませる彼女は誰が見たって可愛いと思うだろう。栗色のボブヘアにパッチリとした大きい瞳はまるでリスの様だ。
性格も明るく友達の多い彼女が何故、あたしなんかと仲良くしてくれるのかは今だに謎。
性格なんて間反対なのに。